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平成29年07月27日掲載

Vol.6 : パイロットを目指す〔その3〕 ❖
いろいろな機種

 

ライセンスを取るための訓練は、一般的には、特定の機種で集中的に訓練し、その訓練機で受験、最初に合格したライセンス上では「陸上、単発機」等の限定があります。すぐに、他の機種を操縦する機会があり、不慣れ、難しさ等で戸惑を経験することと思いますが、その際の参考となる事例等を、少し紹介します。

参考に、FAAでは構造が簡単な単発機等では、操縦に必要なFlight Manualの設定は行わず、安全上必要な事項は、操縦席の計器に記されたカラーマーキング及びプラカード等でカバーできるとの考えがあり、メーカーは参考として具体的な手順等が書かれたオーナーズマニュアを発行するとの整理でした。 但し、日本ではCAB承認の飛行規程として、ほぼ同一内容が設定されています。
最近での最も深刻な航空事故として、2014年に調布で起きたパイパーマリブでの航空事故報告書が、最近公表されましたが、パイパー・マリブは、簡単な構造の単発機とは、正反対に位置するもので、Flight Manual等、パイロットが十分に理解しないことで生じる典型的な事故でした。

 

最初に紹介するのは、基本となる訓練機として、セスナ150J型(JA3507)の計器盤、操縦システムです。
1970年から1985年まで飛行していた機体ですが、その後2012年頃まで熊本市立熊本博物館に展示されていた機体で、その後も千葉県の神栖町の公園に展示されており、身近に見ることができた機体です。私にとっても、わずか100馬力の二人乗りですが、ライセンス取得直後のころ、飛行クラブで最も安くチャーター可能な機種でした。最近の機種のデジタル化した計器(NAVシステム)、大型機等の操縦席、戦前の機種も含めて基本的な計器は皆同じです。

パイロット(左席)正面の左側上部が速度計で、外枠表示がmph、内枠部分と指針(白)の中間部表示がKnot表示です。また、速度のカラーバンド-表示として最大速度(Vne)のレッド、通常速度範囲のグリーンバンド、フラップ操作速度のホワイトバンド(下限がほぼ失速速度)等です。
正面上方が水平儀(GH)、下方が方位指示器(DG)、その左が旋回計(T&B)のジャイロ計器です。
正面右側には、小型の時計を挟んで気圧高度計(ALT)、その下方に昇降計(V/S)があり、この形態が基本的な計器の配置となっています。
また、計器盤正面はVHF NAV/COM(KX160)のラヂオパネルとなっており、その左側に、オプションとしての航法計器であるVOR Indが装備されています。また、正面パネル下方には重要なプラカードであるこの機体が耐空類別U類であること、認められているアクロバティックマニューバーの進入速度(シャンデル、レージーエイト等100 mph)、スピン回復時の操作等が記入されています。
計機盤右側(コパイ正面)はエンジン関連計器であり、左上方は回転計(カラーマークとしては、2000RPMから2700RPM付近がグリーンバンド)で、また、その右側の小型計器は、ジャイロ計器(GHとDG)の動力源となるエンジン直結の真空ポンプの圧力計(SUCTION)で、グリーンバンドが4 inHG付近となっています。また、それらの下方の小型の四角の計器は、左右の燃料タンクの燃量計及び、エンジンのオイルプレッシャーと温度計です。
また計器盤中央下部には、キャブヒート、スロットル、ミックスチャー、フラップ操作スィッチ、その下方にエレベータートリムのインジケイター及び操作フォイールです。
以上が一般的な飛行機での基本操作に係る最少現の計器等の説明です。 以下は応用編として、色々な機種の形態等例を一部紹介します。


 

次の機体は、日本では珍しい機体のセスナ305A(N1100T msn 22020)の計器盤です。セスナ305Aは自衛隊等でも使用されていたセスナL-19の民間型仕様ですが、この機体は当時三沢のフライングクラブで使用されており、60年代後半頃調布や羽田等で良く見ることができました。なお、この機体は現在でもクラシカルプレーンとして健在であり、米国のエアショー等で見ることができます。
計器類も古くタンデム操縦席での操縦幹の配置等、特徴的なところを説明します。
計機盤左端ウィンドシールド下方にスロットルとミックスチャーレバーがあります。
計器盤には左端から速度計と高度計、正面は水平儀と方位計のジャイロ(VAC表示)下方は旋回計(DC ELEC)と昇降計、右側はエンジン計器関連で、燃料計と電流のロードメーター、フラップインジケーターは最大60°までの表示となっています。
他に、特徴的なこととして、エンジンイグニッションはキータイプでなく、切替スイッチ(BOTH、L、R)であること、夜間飛行用の計器盤照明は右上方のドアフレームのスポットライトです。


 

3機目の機体としては、1960年代、レシプロ双発機ビーチH-18型の操縦席です。
エアライン訓練機の仕様であるため、センターパネルは、VHF-NAV/COMが2台、ADFが2台、トランスポンダー装備となっています。他に、特徴的なこととしてはエンジン計器の殆どは、双発機用のデュアル指示計でL,R指針が回転計、マニフォールドプレッシャー、フュエルプレッシャー計であり、シリンダーテンプ、キャブテンプ等が左右指針となっています。


 

4機目、次は、以前はエアラインを目指す場合、最初に乗ることが多かった旅客機 YS-11です。
機体は、JA8610 製造番号2003 YS-11の量産1号機です。なお、この機体は国立科学博物館で保存されることになっており、現在も羽田で保管されていますが、このコックピットの撮影は、1966年導入当初の形態です。
YS-11の計器は、エンジンがロールスロイス・ダートエンジンであって、パワー設定は、2針式エンジン回転計で内側の短針と外側の長針で離陸時の回転数(14700RPM)調整、排気温度計(TGT)、燃料流量計(FF)が特徴でした。


 

5機目の機体、次は、国内線専用ジェットとして、1969年初めて導入されたボーイング737-200型、JA8401で、撮影は1969年 羽田到着時のころのもので、典型的な双発ジェットの形態です。


 

最後の機体は、747-200F 通常形態のコックピット最後のころで、以降は現在のグラスコックピットとなり、大きく変わりました。

 
写真・文 : N.SUZUKI
 
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