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AIC航空写真館


ピックアップ写真館 Vol.19 : 航空貨物輸送の時代 Part.3(タービン機による大量輸送の幕開け )

2021/09/06 ピックアップ写真館

Part3では、ジェットエンジンが登場したことで、飛行機で運べないものがないほど航空貨物が普及するきっかけを作ったとも言われ、一時、世界一の貨物航空会社でもあったFlying Tiger Line(フライング・タイガー航空)の使用機を順に紹介したいと思います。
フライングタイガーは、大戦前に中国で米国義勇軍AVG(American Volunteer Group)として組織されたFlying Tigers部隊のパイロットが終戦後、1945年に設立した貨物航空会社です。当初は軍払い下げの輸送機や本項 Part:1 (Vol.17)でも紹介したレシプロ機L-1049等を使用していましたが、1961年以降ではより運航コストが低く大型貨物も可能なターボプロップ貨物機CL-44D4(最大16機運航)を使用し、その後も、ジェットの707、DC-8、747貨物機等を大量に使用し成長した航空会社です。 1980年には世界第2位の貨物航空会社 Seaboard World Airlinesを吸収し、当時は世界最大の貨物航空会社でした。しかし80年代後半からの世界的な航空不況(PAAは1991年消滅 )のため、1989年、宅配便大手のフェデラルエクスプレス社(FedEx)が買収し(使用機の747が21機、727が19機、DC-8の6機 供)、フライングタイガーの名称は消滅しました。

文・写真 : 鈴木 宣勝

カナデア CL-44D4-2 c/n 21 N452T Flying Tiger Line 〔1963年 立川基地〕

CL-44D4-2は、フライングタイガーが13機発注した型式で、英国Bristol Britanniaのライセンスをベースに、カナダのCanadair社が開発した貨物機で、CL-44D4は、貨物搭載に便利なスイングテールが最大の特徴でした。

カナデア CL-44D4-1 c/n 26 N126SW Flying Tiger Line 〔1966年 羽田空港〕

1961年シーボード航空(Seaboard World )に引渡された機体ですが、一時期フライングタイガー社がリースし、使用していました。
羽田での貨物搭載時の様子で、スイングテールをオープンし、前方貨物ドアと供に効率的な積み下ろしが可能となっています。

ダグラス DC-8-63F 45989/371 N779FT Flying Tiger Line 〔1970年 横田基地〕

フライングタイガーが18機発注したDC-8-63F貨物機の 初号機で1968年に受領し、その後1972年までに18機全機、受領しています。

ダグラス DC-8-73F 46090/504 N4867T Flying Tigers 〔1987年 成田空港〕

1969年DC-8-63CFとしてTrans International Airlines(TIA)へ引き渡された機体で、83年にエンジンを変えDC-8-73CFに改造されました。1987年からフライングタイガーが使用しましたが、その後N705FTとなり、89年にFedExとなってからはN405FEとなっています。

ボーイング747-200F 21650/354 N809FT Flying Tigers 〔1988年 成田空港〕

1979年 Cargoluxへ引き渡された機体ですが、1987年にフライングタイガーが購入し、1989年には FedEx(N639FE)となった機体でエンジンは JT-9D-70を装備しています。
(フライングタイガーでは、他に同じN809FTの B747-100SF(19733/42)を1978年から80年頃の間使用していますが、エンジンはJT-9D-7Aでエンジンカウリングが異なる別の機体です)

ボーイング 727-100 N931FT 19390/350 Flying Tigers 〔1987年頃 シータック空港〕

1967年B727-23 としてAmerican Airlinesへ引き渡され、1984年からFlying Tigersが貨物型B737-23(F)として使用し、89年からはFedExとなりました。

ボーイング 747-100 (SF)Flying Tigers 〔1988年頃 成田空港〕

フライングタイガーがフェデックスに変わる最後のころの標準的な塗装で、初期の機体では尾翼にTのロゴマーク、胴体にFLYING TIGER LINEの会社名であったものが、胴体中央部に青と赤の斜めの帯、会社名はFLYOING TIGERSの字体に変わりました。