ピックアップ写真館 Vol.23 : 航空貨物輸送の時代 Part.7(ジェット貨物機の登場 その1)
2021/09/10 ピックアップ写真館Part:7では、大型ジェット貨物機が登場した1960年代、初期の第一世代のジェット輸送機によるジェット時代の開拓者とも言える、パンアメリカン航空、ユナイテド航空、アメリカン航空等を中心に紹介します。
文・写真 : 鈴木 宣勝
ダグラスDC-8-55CF 45883/308 N806SW シーボード航空〔1969年頃 横田基地〕
1967年Seaboard World Airlinesへ引き渡されたDC-8 Jet Traderで、横田基地沿いドライブインからの撮影です。 なお、この機体は、この後1970年から1972年の2年間、JALがリースし、貨物機として使用した経歴があります。
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1964年Airlift Internationalへ引き渡されたDC-8 Jet Trader、当初はAIRLIFT JET TRADERの文字が大きく書かれた機体でしたが、写真撮影時の塗装では消えています。理由は直前の68年5月から69年3月までの短期間、日本航空がリースし、JAL塗装でリース貨物機として使用、羽田でも見る機会があった機体です。
ダグラ DC-8-54CF 45668/187 N4904C キャピトルエア〔1970年頃 横田基地〕
ダグラス社はターボフアン・エンジン装備となった DC-8-50シリーズで前方に大型貨物ドアを装備したDC-8 Jet Traderを50機余り製造しています。後方は客席として使用可能で、貨物室との仕切りは移動可能となっていました。
なお、窓なし仕様(Jet Freighter)として製造されたのは前項で紹介したUNITED機だけとなっています。
この機体は、1963年Capitol Airに引渡されたDC-8-54CF Jet Traderで、1975年頃まで使用されました。
ダグラス DC-8-54AF 46011/408 N8054U ユナイテド航空 〔1970年頃 横田基地〕
1968年United Airlinesに引き渡されたDC-8F JET FREIGHTERで、UAは貨物機として1985年まで使用していました。
ボーイング707-320C 19236/521 N7563A
アメリカンエアラインズが1966年から1982年まで、AMERICAN AIRLINS FREIGHTERとして使用していた機体で、その後は、他のAA Freighter -320C 8機と供に米空軍に売却、C-18A(81-0897)に改造されました。
写真は、羽田空港A滑走路、多摩川側からの着陸で、当時羽田では、AAの旅客型ではないこの貨物型は頻繁に見ることができました。 AA初期の707塗装、この赤の胴体帯、全面無塗装機は私の最も好きな塗装でしたが、この機体も、この後間もなく変更となり、見慣れている、胴体帯が青白赤の3色で尾翼のロゴマークも丸型から青赤のAAマークと変更されています。
ボーイング707-320C 19273/580 N451PA パンアメリカン航空 〔1971年頃 横田基地〕
Pan Amは707-320Cを、ほぼ貨物機としてのみ使用していましたが、この機体は後期に受領した機体で,1967年から1976年まで使用しました。
“Convertible”として使用可能な客室窓はなく、純粋な貨物型で、機体名称は“Clipper Union” 、胴体文字塗装は、新塗装のPAN AMERICANから PAN AMと、変更されています。
ボーイング707-320C 18579/332 N765PA パンアメリカン航空 〔1964年頃 羽田空港〕
ボーイング707-320Bの純貨物型(貨客混載も可能)として1963年2月初飛行した707-320C(Convertible)の初号機です。 707シリーズのローンチカストマーでもあるPan American World Airways(Pan Am)は1962年から長距離旅客型の-320Bを60機程発注し使用しました、その後開発された貨物型でもある-320Cも34機ほど発注し、使用しました。
この機体は、Pan Am発注の初号機でもあり、機体名称は“Clipper Gladiator”、写真は、1964年頃、羽田の旧ターミナル地区で貨物機就航記念の、デモ公開をしたときのものです。