ピックアップ写真館 Vol.40:ダグラスDC-8-61 (JAL国内線ジェット化普及の立役者)その1
2021/09/27 ピックアップ写真館JALが1969年から導入したDC-8-61は、1965年国内線ジェット化初期に導入したB727-100に代わる国内幹線の主力機として、後のB747SR、DC-10の広胴機に代わるまでの間、計23機が導入されました。 ジャンボ機時代までのつなぎ役でもありましたが、私の世代にとっては、国内線での移動、出張では最も搭乗する機会の多い機種でした。
最初に紹介するDC-8-61 N8070U機は、1966年ダグラス社の最初のジェット旅客機DC-8シリーズ機の胴体を11m延長し、中距離用とし、当時の最大のジェット旅客機であって現在でも広胴機を除き、世界最長(全長57m)の旅客機となっています。
1966年3月に初飛行し、原型機として型式証明取得のためのフライトテスト中の機体であって、8月に羽田に到着、デモフライトも行い機内も見ることができました。なお、DC-8-61型としてのTC取得はこの直後1966年9月1日、 この原型機がエアライン向け初号機として改修された後に引き渡されたのは1967年5月で、ユナイテッド航空N8070U機として1983年まで使用されていました。
ダグラスDC-8-61 45810/252 N8070U ダグラス・エアクラフト〔1966年 羽田空港〕
ダグラス社のDC-8-61、Super 61の原型機で、テスト飛行で羽田へ飛来したときの撮影です。
ダグラスDC-8-61 45810/252 N8070U ダグラス・エアクラフト〔1966年 羽田空港〕
DC-8 Super 61は、対抗する707機が主脚の長さの違い等で実現できなかった胴体ストレッチを、DC-8-55型をベースに主翼前後で11m伸ばしたことで、大型のTail Skidが特徴として確認できます。
ダグラスDC-8-61 45810/252 N8070U ダグラス・エアクラフト〔1966年 羽田空港〕
DC-8 シリーズの全生産機は556機ですが、約半数弱が胴体延長型の60シリーズ(改修機である70シリーズを含む)でした。ダグラスのDC-8シリーズは試作機は製造されず、量産機の原型機を開発に使用し、この初号機も、後にUnited Airlinesへ引き渡されました。機首に発注済みのエアライン各社(8社)が記入されています。
ダグラスDC-8-61 45810/252 N8070U ダグラス・エアクラフト〔1966年 羽田空港〕
この機体は、型式証明取得用のテスト機であって翌月の9月に型式証明を取得しましたが、コックピットパネル、キャビンとも、エアライン仕様とはかなり異なっていました。その後、この機体が、量産初号機として実際に耐空証明を取り、エアラインに引き渡されるまでの期間が長く(翌年5月)、この後、かなりの改修変更が行われたと思います。
ダグラスDC-8-61 45810/252 N8070U ダグラス・エアクラフト〔1966年 羽田空港〕
キャビン内部ですが、DC-8 特有のオーバーヘッドストレイジも無く座席も最小限で 、テストフライトの最終段階でのフライトだったものと思われます。
ダグラスDC-8-61 46031/435 JA8038 JAL 〔1970年頃 羽田空港〕
日本航空が1969年2月に購入したDC-8-61の初号機で、撮影は京浜島でR/W04からの離陸です。なお、JALのDC-8-60シリーズ機の導入は、長距離国際線用の-62型が先で、既に1968年4月からJA8031以降JA8037までの6機が導入されていました。DC-8-61の国内線仕様機の導入時期は日本の高度成長時代のピーク(1970年の大阪万博等)であり、252席のオールエコノミー仕様は、その後のB747-SRやDC-10型機への引き継ぎに貢献した機体でした。
ダグラスDC-8-61 46127/510 JA8042 JAL〔1971年頃 羽田空港〕
1970年4月に導入したDC-8-61の4番機で 、羽田空港のR/W33からの離陸、撮影は京浜島からです。
ダグラスDC-8-61 46157/541 JA8045 JAL〔1974年頃 大阪空港〕
1970年12月に導入したDC-8-61の6番機で、伊丹空港 B滑走路(R/W 32L)への着陸です。
ダグラスDC-8-61 46158/543 JA8046 JAL〔1975年頃 大阪空港〕
1971年1月導入した機体で、伊丹空港 B滑走路(R/W 14R)からの離陸です。
ダグラスDC-8-61 45848/285 JA8050 JAL〔1975年頃 大阪空港〕
1971年6月、イースタン航空から購入(旧N8778)した中古の機体で、製造は1967年製です。撮影は、伊丹空港R/W 32Lからの離陸でした。