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AIC航空写真館


マクドネル・ダグラスDC-10-30 48265/345 N345HC フィン航空〔1991年 成田空港〕

2021/07/28 1990年代

1981年フィンランドのFinnairに引き渡された機体で、特別仕様として後方貨物室内に追加の燃料タンクを増設、全備重量も増加したタイプでした。後に5機が製造、さらに既存の機体への改修型として5機があり、DC-10-30ER型とされました。
 フインエアの仕様は、当時日本からヨーロッパへのルートは、アンカレッジ経由かモスクワ経由のみであったものが、北極海経由で直接ベーリング海へ抜ける日本への直行ルートを可能とする唯一のルート及び機体であり、1990年代ソ連崩壊によりシベリア上空航空路が全面開放され、ヨーロッパ直行便が一般化されるまでのものでした。
 この機体で最近になって判明したFinnair Flight 915事件について紹介します。1987年12月23日成田からヘルシンキへ向かっていたN345HC機がノルウエーのエッジ島上空を飛行中接近してくるロケットを発見、その後同高度で機体方向に向きを変え衝突の約20秒前に爆発、機体は爆発による雲煙内を通過したが、当時報告はされたものの社会情勢等で調査等はされておらず、その後2014年7月のウクライナ上空でのマレーシア航空撃墜事件(以前1978年の大韓航空撃墜事件も含め)もあり、2014年9月当時のパイロットがメディアに詳細を証言、ソ連軍によるフィンエア915便撃墜未遂事件として、大きな社会問題となった件です。