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AIC航空写真館


Vol.45:百里基地でのドイツ機

2022/11/21 ピックアップ写真館

2022年9月28日から9月30日の間、航空自衛隊百里基地にドイツ空軍戦闘機としても初めての訪日であるユーロファイター2000戦闘機が3機来日しました。

目的は共同訓練及び部隊間交流で、先日オーストラリアで行った4カ国共同訓練(豪、独、韓、日)に百里基地のF-2戦闘機部隊が参加したことからもあり、ドイツ帰途の途中、シンガポールから空中給油を受けながらユーロファイター3機が百里基地に向かい、その間ドイツ空軍トップのインゴ・ゲルハルツ総監が操縦するユーロファイター特別塗装機と日本の航空幕僚長が搭乗する百里基地からのF-2戦闘機が富士山上空で共同訓練飛行を行う等、非常に表徴的な出来事でもありました。(自衛隊公式発表のF-2とユーロファイターの富士山上空での編隊飛行写真が公表されています)

他に支援機として輸送機A400Mと空中給油・輸送機A330MRTTも各1機来日しましたが、ユーロファイター2000の特別塗装機には、「RAPID PACIFIC 2022 AIR AMBASSADOR」と書かれ、主翼上面に日本を含めた4カ国の国旗がデザインされている等、ドイツにとって非常に表徴的な機体でした。

ユーロファイター6機を支援のA400Mの4機、A300MRTTの3機と共に、如何に早くドイツ本国から太平洋地域のオーストラリアまで移動し実戦訓練を行うとの重要なミッションの一環でした。

ユーロファイター離陸時の写真は、9月30日、百里基地から帰還するときのもので、ユーロファイター特別塗装機にはドイツ空軍総監が搭乗し、地上では日本の航空幕僚長を含めた百里基地隊員総出で旗振り等を行い盛大に見送りしていたことから、離陸直後にユーロファイター特有の強大なパワーと運動性から、地上から主翼上面が見えるよう急激な上昇旋回を行ったときのものです。

最後の編隊飛行は、離陸後A330MRTT給油機と編隊を組み飛行場をパスした時のもので、シンガポールからの来日時もこのような状態で、途中3回の空中給油を行い8時間かけて到着したとのことでした。
以下、到着時からの様子を、順に紹介します。

エアバスA330MRTT 空中給油・輸送機

9月28日の夕方、最初に到着した支援のエアバスA330MRTT 空中給油・輸送機です。尾翼にはNATO所属である「MULTINATIONAL MULTIROLE TANKER TRANSPORT FLEET」と書かれたマークと、通常運用でのオランダ空軍マークがあります。

エアバスA400M LUFTWAFFE 54-29 戦術輸送機

次に到着したエアバスA400M LUFTWAFFE 54-29戦術輸送機、尾部には A400M MSN090が記入され、90号機です。 A400Mは、C130ハーキュリーズ, C160トランザールの後継機としてエアバス・ミリタリー社が主体で共同開発。

ユーロファイター & F-2戦闘機

ユーロファイターの3機はシンガポール出発後A330MRTT空中給油機との3回目の給油を終えた後日本付近で給油機と別れ、百里からのF-2戦闘機3機とドッキング、富士山付近での編隊訓練を行い、最後に百里基地に到着、オーバーヘッド・アプローチをした時のものです。
編隊左端のF-2Bには航空幕僚長が搭乗、隣のユーロファイター特別塗装機はドイツ空軍総監が操縦していました。

ユーロファイター2000、LUFTWAFFE 31+11 特別塗装機

百里基地から帰還時の離陸でドイツ空軍総監の操縦です。なお、尾翼には今回のミッションであるドイツ本国から経由のシンガポールからオーストラリア、日本までのルートと地図がデザインされています。また、本機特有の離陸直後の急激な上昇旋回で、主翼上面には今回の参加国の国旗のデザインを見せたところで、主翼前方のカナード翼には「RAPID PACIFIC 2022 AIR AMBASSADOR」の文字が書かれています。

ユーロファイター2000、LUFTWAFFE 31+11 特別塗装機

ユーロファイター2000、LUFTWAFFE 31+11 特別塗装機

ユーロファイター2000 LUFTWAFFE 30+72 単座型

ユーロファイター2000 LUFTWAFFE 31+13 複座型

ユーロファイター2000 LUFTWAFFE 31+13 複座型

ユーロファイター & エアバスA330 MRTT 空中給油・輸送機

ユーロファイター3機の離陸直後に、エアバスA330 MRTT 空中給油・輸送機が離陸し、場周経路で編隊を組み滑走路上をパスしたところです。この機体はNATO所属で共同運用されるものですが、この機体にはオランダ空軍マークが入っています。