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AIC航空写真館


Aerospatial-BAC Concorde 200 203 F-BTSC エアフランス(1979年 羽田空港)

2025/05/26 1970年代

1975年、初飛行した量産型コンコルドの3番機です。写真は1979年サミット出席のためフランス大統領が使用した特別機で、この時がテスト機(G-BSST)を除いた日本への初来日コンコルドでした。なお、この機体が2000年7月パリでの離陸時、事故を起こした機体です。事故の調査はフランス及びイギリスの国の威信をかけて徹底的な調査が行われました。最初のきっかけとなったのはコンチネンタル航空DC-10の整備ミスによる異物の落下で直後に離陸した離陸したコンコルドのタイアがパンクし破片が主翼下面の燃料タンク部下面に当たり衝撃を与えたことでした。事故の直接原因である燃料タンクから漏れた燃料による火災はタイア破片による損傷部でなく、想定外であった衝撃によるタンク内の圧力変化で、他の最も弱い部分が破損し大量に噴き出た燃料が引火、左翼全体が損傷、エンジン2発も使用できない状態で墜落に至った経緯でした。安全対策はタンク内部の補強等を行い、事故後1年3か月の2001年11月に再開されましたが、2003年にはすべての運航を散りやめています。日本のJAL御巣鷹山事故も未だ一部のメディア等では続いているようですが、事故原因、要素等は非常に参考になる事例です。フランスは航空に特化した司法制度がありますが、2012年最終的に刑事裁判では無罪、民事裁判としてエールフランスがコンチネンタル航空にイメージ低下の保障としての損害賠償が命じられました。