エアバス A220-300 55037 HL8315 大韓航空 {2025年 成田空港}(2025 年 成田空港)
2025/08/18 2020年代
Korian Air が 2018 年から 4 機運行しているエアバス A220-300(旧 ボンバルディアBD-500-1A11)で、最近釜山-成田線にも就航したことで、よく見られます。三菱が開発中止としたリージョナル・ジェット MRJ とボンバルディア社のCシリーズは、競合機でもあったことで、関連事項等、今後のためにも整理しておきます。当時 2018 年前後は世界的な航空業界不況も絡み、ボーイング社は、カナダのボンバルディア社が政府補助を受けていて、自社が不当な競争をさせられているとして、商務省に訴えたため、一時はボンバルディア社への 290%ほどの報復関税(当時トランプ大統領第一次政権時代)が決定していました。
しかし当時のカナダ首相から、ボーイング社へ発注していた CF-18 戦闘機の購入をキャンセルする等の話もあり、最終的にはボーイング社の製造機とは競合しないとして、落着した経緯があります。また、引渡しが始まったばかりで三菱 MRJ の競合機ともいえる、ボンバルディア社のリージョナ・ルジェット C シリーズ機に対しては、エアバス社は自社で製造されてないクラスであるとし、ボンバルディア社と提携、名称もエアバス A220 に変更された経緯があります。
また、この当時、三菱 MRJ の型式証明に必要な試験飛行は、米モーゼスレークで始まったばかりで、三菱航空機は試験飛行のための支援にシアトルの米エアロテック社と契約していましたが、ボンバルディアは、数人のエンジニアが三菱航空機及びエアロテック(AeroTEC)に入社するまえに自社の C シリーズ機(A220)の飛行試験プロファイルや認証レポートなどの企業秘密を盗んだとして、シアトルで三菱航空機及び AeroTEC 社等に訴訟を起こしていました。一方、日本では MRJ の失敗は、三菱航空機はボーイング等から 500 名以上の FAA での型式証明経験者を雇い、国からの補助金(500 億以上)も十分であることから何の問題も起こらないはずとする主張が多くありました。型式証明には、その後の(TC)維持も考慮され、申請された会社に対しての能力審査も含まれると考えられます。なお、エアバス A220 は現時点では製造者 Airbus Canada に 1.000 機ほどの受注がありますが、ANA が発注していた MRJ の分は、ブラジルのエンブラエル E シリーズとされたようです。