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戦闘機の世界


戦闘機の世界 Vol.08

2021/08/08 戦闘機

ブルーインパルF-86Fとその時代( F-86Dセイバードッグ )ノースアメリカンF-86D セイバードッグは、ソ連の爆撃機に対抗できる迎撃機としてF-86Aをベースに開発し1949年に初飛行した全天候戦闘機です。外観上は、全天候型レーダーを機種に装備した大型レドームが特徴で、武装も機銃6門から空対空ロケット弾(24連装のマイテイマウス)に変更、エンジンJ-47エンジンにアフターバーナーを装備、パワーアップしたことで、数々の速度記録をも樹立した等、高性能の機体となっています。原型となったF-86型との共通性は20%もなかったと言われていますが、NAA社だけでも2500機以上(他に、マイナーチェンジ型F-86Kが300機程度)製造されました。航空自衛隊には1958年から計122機が米軍から供与されましたが、その殆どが在日米軍の使用機がF-102へ機材変更されたことで、不要となった中古の機体でした。1958年に供与が始まり、第3航空団、第101飛行隊が編成され、その後3個飛行隊(102sq、103sq、105sq )が編成され、航空自衛隊初めての全天候戦闘機部隊としてアラート任務についていましたが、1968年には最後の飛行隊 (101sq )も解散し、F-104に代わっています。

ノースアメリカンF-86D 84-8148 セイバードッグ 航空自衛隊〔1965年 小牧基地〕

1964年8月、小牧基地南側から着陸する3空団、101飛行隊のF-86Dです。当時101飛行隊の塗装は赤鯱に、下方緑色の帯ですがカラーでないため明確ではありません。

ノースアメリカンF-86D 04-8195 セイバードッグ〔1965年 小牧基地〕

1965年12月、小牧基地南側からのタッチダウンで、102飛行隊(黄色帯)と思われます。後方に待機中のF-86Dが見えますが、このすぐ脇に現在でも見ることができる待機用のアラートハンガーがあり、スクランブル発進に備えていました。

ノースアメリカンF-86D 04-8213 セイバードッグ〔1965年 小牧基地〕

1965年12月、小牧基地 滑走路南側からの着陸です。

ノースアメリカンF-86D 84-8112、04-8209 セイバードッグ〔1965年 横田基地〕

1965年ごろ、航空自衛隊の総合演習が横田基地でも行われた際、見ることができました。

ノースアメリカンF-86D 04-8199 セイバードッグ〔1965年 三沢基地〕

第2航空団、103飛行隊所属機です。1960年小牧基地で編成された第3航空団 第103飛行隊は、1961年に千歳基地に移り、第2航空団の傘下になり、1968年6月解散されるまで、F-104Jと供に使用されました。当時、第2航空団での塗装は、尾翼に青帯2本でしたが、このときは未だありません。なお、この機体は、現在でも千歳基地で展示されており、第2航空団のマークと供に見ることができます。

ノースアメリカンF-86D 84-8142 セイーバードッグ〔1965年 岐阜基地〕

1965年12月、岐阜の実験航空隊航空祭で、異機種編隊飛行に出発する実空所属機です。

ノースアメリカンF-86D 84-8143 セイーバードッグ〔1963年 二子玉川園航空博覧会〕

最後は、すでに用廃機となった機体ですが、F-86Dで最初に編成された、第3航空団、101飛行隊の初期の塗装で、前年の1962年まで飛行していた機体です。
初機の塗装は分り易く、第3航空団の赤帯3本に、黄色の鯱でした。